当ブログ holly tunes について

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富山の設計事務所に依頼して2014年3月、防音室のある戸建て住宅を竣工しました。

2012年7月 設計監理契約
2013年10月 着工
2014年3月 竣工

新築計画のはじめから竣工、内覧写真やその後の生活を記録中。
内覧写真をご覧になりたい方は下のボタンで絞り込みするか、WEB内覧 まとめの記事をご参照ください。

内容は過去、現在のものについても随時加筆・修正します。
法令や制度に関しては、あくまでもその時点でのこととして記録しています。
参考になさる場合にはご自身でも再度確認をおすすめします。

個人的にご連絡をくださる場合には
hixim14アットマークの後gmail.com
までお願いいたします。

2015年11月25日水曜日

設計事務所で建てる家の坪単価

これまであんまり考えたことなかったのですが、我が家の坪単価について。

設計中や建築が始まったくらいの頃までは、家づくりにかかった経費を細かく記録しておこうと思ったのですが、今見返してみると途中から全然記録できていませんね…。
ローンや法令手続きにかかった費用は、記憶からもかなり抜け落ちてしまっています。

が、現在手元にある書類で確認できる範囲で経費と坪単価について記したいと思います。

総工費と坪単価に含まれたり除かれたりする経費
まず、工務店へ支払った総工費がおよそ27,150,000万円(税込)です。
この中にはハウスメーカーなどに依頼した場合には通常含まれない費用も含まれています。
そういった項目を細かく拾い上げると以下の感じになります。
カーテン…200,000(A)
据え置き家具(AVボード)…110,000:(B)
エアコン(設置費、部材費含む)…490,000:(C)
地盤改良費…500,000:(D)
照明器具…230,000:(E)
外構費…200,000:(F)
これらの付随工事の合計が173万円(税抜)→税込みで181万円となります。
大雑把ではありますが、総工費から付随工事の金額を引いた2534万円:(G)を本体工事費とします。

工務店から請求された金額の他に、支給品や必要費用がいくつかありまして以下のようになります。現金で支払った分です。
地盤調査費…50,000:(H)
支給分カーテン…230,000:(I)
その他支給品、経費…70,000:(J)
ガス引き込み工事…60,000:(K)
他にもあったと思うのですが、今は思い出せません。

そして通常なら工費に含まれるが、設計事務所に依頼する場合別途発生するのが設計監理費。
設計監理費…2,310,000(税込):(L)

以上の合計が、我が家を建てて住むのに必要な金額であるとします。
ハウスメーカーで坪単価、といわれるときには、上記の項目が含まれたり含まれなかったりしますね。

ガス・水道・電気の引き込み工事に関して
(K)のガス引き込み工事に関して、我が家の土地は普通に都市ガスの地域だったので、はじめはかからないと思っていたものです。しかし着工前に調べたところ引き込みがないことが判明し後から追加で請求が発生しました。
売主さんが住んでいたお宅でプロパンガスを使用していたのが理由です。
もし着工前にこのことが判明していたら、工務店からの請求に含まれていたであろう金額です。

我が家の場合の、上記で本体工事費としている(G)にはTVや電話、電気の引き込みと宅内配線が含まれています
見かけの坪単価を下げるためにローコストメーカーなどではこれらは除かれる場合が多いようですが、金額を拾い上げるのが面倒なのでそのままにしておきます。

宅内配線(電話・LAN)にはさらに注意が必要!
見かけの坪単価のために工費から除かれるだけなら良いのですが、ハウスメーカーなどだと、電話やLANの宅内配線について「建ってみたら実際の配線がしていない!」という場合があるので注意が必要です。
配管は施工してあるのに中に線が通っていない場合があって、配管がしてあるだけに建つまで電話やネットのジャックが使えないことに気付いていないってことです。

もう10年近く前のことになるのですが、新規回線加入者に対するPC設定訪問サービスの仕事をしていたことがあります。新築のお宅だとネットの申込と電話を同時に開通されることが多く、うかがってみてはじめて配管の中を配線が通っていないことに気付く、というパターンが多くありました。
据え置き電話(といえばいいのか)の重要性やLANの無線環境もここ最近で大きく変化していますし、今考えても配管だけしておいて中に線を通さないことに、施工上の利点があるようにもあまり思えないので、最近ではそういうことが多く起こっているのかは分かりませんが。

坪単価を出すための面積にも幅がある!
そして、坪単価を出すとなれば必要になるのが分母になる面積。
これもハウスメーカーとか色々な思惑によって、同じ建物でもバラツキのある数字が使われます。
我が家の場合、建築基準法上の延べ床面積は38坪:(ア)です。
ですがこの数字には、カーポートや吹抜け、軒の面積が入っていません。
軒の面積を含めることは滅多にないことだとは思いますが、カーポートや吹抜けやロフトの面積を加算して「施工面積」とすることは普通に行なわれているようです。
カーポート…4.4坪:(イ)
吹抜け…4.4坪:(ウ)

同じ家でも計算方法によって坪単価に大きな差が出る!
で、なんだかダラダラ長くなってしまいましたが、我が家の坪単価です。
上記の工事費諸々のうち、どれを含めてどれを除いて計算するか…また、面積もどの数字を使うかで坪単価は大きく変わってきます。
なのでハウスメーカーが広告で出しているのとか、坪単価比較サイトの数字はあくまで参考程度、というのは家ブログを読んでいる人ならよく分かっていることだと思います。

が、参考までに以下の三つのパターンで坪単価を出してみます。

1、坪単価が一番大きく出るように計算
本体価格に付随工事費と施主支給の備品の金額も含めて(A〜L)、分母は小さくなるように建築基準法上の延べ床面積(ア)を使うと
(A〜L)の合計/(ア)となり、
坪単価は78.4万円

2、坪単価が一番小さく出るように計算
→ローコストメーカー等ではこういった計算方法が多いと考えます。
本体工事費のみを施工面積で割ると
…(G)/(ア〜ウ)の合計となり、
坪単価は54.1万円
本体工費時に設計管理費を含めると59.1万円

3、常識的な範囲で坪単価を計算
家具小物などの備品は除くが、通常生活するのに必要な経費と設計監理費を合計した数字を延べ床+(施工面積の二分の一)の面積で割ったもの。
→照明は昨今は同時施工が多いかなと思い含んでいますし、ガス引き込み費、地盤改良費、設計監理費などの住むのに必須の費用も含んでいます。
が、カーテンやエアコン、調査費等の通常「諸経費・別途工事費」は含まず。
面積については延べ床面積に吹抜けやカーポートの半分を加算して計算に使用します。
(D,E,G,K,L)の合計 /{(ア)+(イ+ウ)/2}←中括弧なんかの使い方分かりにくく恐縮ですが!
坪単価は67.1万円


…さあ、どうでしょうか?ここまで書いてて何を伝えたいのかよく分からなくなってきました。
つまりは、坪単価は計算の仕方によって54.1万円〜78.4万円と20万円以上の差が出るってことでしょうか。
数字だけを見て注文住宅メーカーのおおよその坪単価と比べると、54万円は中くらいメーカー、78万円は最高級とまではいかないけど高い部類のメーカーくらい、って感じですね。
何度も書きますが、全部我が家の数字で計算方法が違うだけです。

施工面積も地方、ということで割と贅沢できる方なので余裕の単価が出ますが、面積が小さくなっても等しくかかってくる費用というのがあるので、都会地で小さく建てたとすると、坪単価は必ず上がります。
加えて地方というのは、工事車両を停めておくのにも、材料を保管しておくのにも、移動にかかる時間を考えても(燃料費・拘束時間)…何をするにも都会地程のお金がかかりません。なので同じ仕様で都心で建てたとしたら、最高級ハウスメーカー以上の数字が出ると思われます。

私自身は高い方の数字を見て「贅沢な買い物をした」とは思いませんし、低い方の数字を見ると「良い買い物した!」と思います。…やはり坪単価よりもトータルで出来上がった物と総工費で考えていますね。

例えば、大手ハウスメーカーで今の我が家と同様の仕様(木造、二重サッシその他で防音)で建てたとしたら、こんな価格には収まらないはずです。必要のない設備に費用がかかったかもしれませんし、同様の防音性能を得るには莫大なオプション費用がかかります。

安易に坪単価で比較するのはやめた方がいいというか、本来出来ないことだと思います。が!上手く使えば、資金計画や建てられる広さのイメージが付きやすいのも事実。

同じ坪単価だとしても、そこに自分にとって必要のない費用が含まれてしまっていないか、必要な費用がキチンと入っているのか、で満足度が変わってくるのは必ず知っておかないといけません。
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4 件のコメント:

  1. はじめまして、隣県で新築中の者です。昨年土地探しを始めたときからこちらのブログを読ませていただいていました。情報量が多く的確なので本当に参考になりました、ありがとうございました!

    我が家も設計事務所に依頼しており、贅沢仕様ではないのですがざっくり坪単価は80万程。少し前まで坪単価80万=たてもの探訪出れるクラスって思ってましたがそうでもないかと思い始めたこの頃です。

    ところで断熱については詳しい紹介がなかったかと思うのですが、グラスウールを使用されていますよね?我が家は見積調整中ですか断熱材はほぼグラスウール(木造、ペアガラス、内窓なし。玄関とDKはコンクリート床)確定です。もともとウレタン吹き付け希望で、グラスウールに対してはネガティブなイメージを拭えません。holly-tunesさん(何とお呼びしていいかわからずすみません)もグラスウールなら…というのが唯一前向きに考えられる要素なのですが、断熱材については、どうお考えですか?お聞かせいただけると嬉しいです。

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    返信
    1. はじめまして、コメント嬉しいです、ご覧頂きありがとうございます。
      確かに坪単価が80万と聞くと高級なイメージですね。
      我が家の依頼設計事務所での過去物件の坪単価一覧を見せてもらったことがあるのですが、おおよそ50〜60が多かったです。中には100万越えもありましたが。
      結局は必要十分の家であれば満足度は高く、それが可能なのが設計事務所のメリットだと思っています。

      断熱材についてですが、我が家でも家づくりを考えはじめた頃は巷で良いとされる(実際良いのでしょうが)現場吹き付けやセルローズファイバーが採用できたら良いな、とは思っていました。ハウスメーカーや地元工務店はそういうのを「売り」にしているところが多かったので、いくつも見回っているうちにグラスウールは駄目なんじゃないかと思ってしまうんですよね。
      確かに断熱材が日本の住宅業界で導入されはじめた頃、グラスウールが一般化したが、施工方法の知識が未熟だったために数多くの問題が起こっていたようです。が、最近ではキチンと知識を持ち施工されていれば問題はない、と説明されました。
      逆にどんなに良いとされる断熱材でも、現場の施工によってはその良さが発揮されない場合がある、とも。
      施工が完璧、との条件があるのならグラスウールは見劣りするかもしれませんが、コストと性能のバランスからいうと最良の選択だったと思っています。グラスウールの家に住んで、やはりこれで十分というのが感想です。

      そしてやはり「施工が適切かどうか」を監理してもらうのが一番重要です。グラスウールはその形状から複雑な部分に欠損が出やすい材料なのできちんと埋めてもらう必要があります。
      また断熱材やサッシの選定において、断熱気密のためには上を見ればキリがありませんが、一番効くのは開口部を減らすことだと思っていますし、最終的にはコストと性能のバランスです。

      なんか記事が一本書けそうな程の長さになっちゃいました、スミマセン!

      家を一つつくるのに、特に設計事務所だと途方もない選択肢がありますよね。
      そんな選択肢の中から色んな要素のバランスをみながら一つ一つ決めていくのは大変ではありますが、醍醐味でもあると思います。
      終わってみて全てが最良の選択だった、というのは難しいですがきっと満足のいくお家が出来ると思います、完成が楽しみですね。

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    2. わあ!お仕事をされているであろう平日に、しっかりとしたご返信をありがとうございます。

      そうですね、問題は施工方法。下からの湿気をきっちり遮断することが重要などという説明を受けました。事務所側もウレタンにしたいのは山々、という歯切れの悪い説明だったのですが(^^;; もう一度納得できるまで話を聞こうと思います!

      開口について、結局どんな断熱窓も壁にはかなわないんですよね。我が家も結果的に開口少なめです。よく見る、緑が見える大開口!開放的な空間!という素敵な写真に憧れたり、風通しのことなどが気になったりして、開口についてもこれでいいのかな…と思っていますが、前向きに考えたいと思います。

      たくさんの選択肢が大変でもあり楽しいところですね。建築士さんを信じてお任せしました!なんてのも素敵なのですがいろいろ自分で調べたり考えたりするのが好きな方で、そうしてきましたが、基礎工事が始まった今、素人の浅知恵で口出ししないほうがよかったかも…大丈夫かな…と思ったりしてしまいます。

      そんな気持ちを見越したかのように、建築士さんには、今はきっと不安な時期。完成して、1年くらいするときっと満足していただけると思います。と言われています。それを信じて楽しみにしたいと思います。

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    3. そうですね、納得できるってことが重要かと思います。
      自分の中で落としどころに行き着くまでが大変だったりするんですけどね。

      はじめは色んな理想があって設計が進む中で取捨選択するので、理想通りにいかなかったことを後悔するんじゃないかと心配になるお気持ち、分かります。
      ただ住み始めるとそんな理想も、生活のうちのほんのわずかな要素に過ぎないことに気付きました。
      建築士さんが言われるのもその通り、ってことですね。

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